睡眠薬


 (ベンゾジアゼピン受容体作動睡眠薬)

●超短時間型
超短時間型の睡眠薬は速やかに効果を現し、短い半減期のため、 目覚める頃には体内から大部分が排泄されて持ち越し効果が少ないのが特徴です。

・BZ系睡眠薬を中止した時に生じる強い不眠(反跳性不眠)が問題になっています。  
 特にBZ系睡眠薬で半減期が短いものほどこの傾向が強く、この反跳性不眠は超短半減期の  睡眠薬を数夜用いただけで生じることがあります。  
 またBZ系睡眠薬は抗けいれん作用と筋弛緩作用がBZ系抗不安薬と同様にあるのが特徴です。  
 ただ、両作用とも睡眠にとって必ずしも利点とはいえません。

(1)抗痙攣作用の強い薬を長期間使用したのち中断すると痙攣を起こすことがある。
(2)筋弛緩作用が強いと高齢者の場合など転倒事故を起こす事もある。

この為、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が現在好んで用いられているようです。


●短時間型 半減期が6〜10時間の4種類があります。

●長時間型 半減期が7〜36時間の5種類があります。

●超長時間型 2種類があります

一般名(最上段)
薬価(円/錠)
用量
(mg/日)
血中濃度
最大時間
血中濃度
半減期
特長
商品名(二段目以降)








トリアゾラム 0.125〜0.25 1.2時間 2.9時間 ンゾジアゼピン(BZ)系で有名な薬ですが、服薬を中止した時に生じる強い不眠(反跳性不眠)が問題になっています。
ハルシオン
先発 18.3円/0.25mg錠
12.9円/0.125mg錠
アサシオン 後発 8円/0.25mg錠
アスコマーナ 後発 6.24円/0.25mg錠
カムリトン 後発 6.4円/0.25mg錠
トリアラム 後発 6.4円/0.25mg錠
トリアゾラム
『EMEC』
後発 6.4円/0.125mg錠
トリアゾラム
『TSU』
後発 6.4円/0.25mg錠
ネスゲン 後発 6.4円/0.25mg錠
ハルラック 後発 8円/0.25mg錠
6.4円/0.125mg錠
パルレオン 後発 6.4円/0.25mg錠
ミンザイン 後発 6.4円/0.25mg錠
ミダゾラム 0.15〜0.3/kg
(注)
(筋注)
0.28時間
(静注)
−時間
(筋注)2.1時間
(静注)1.8時間
注射薬しかありません。
主として麻酔導入薬として使用されています。
ドルミカム 先発 176円/10mg2ml管
ゾピクロン 7.5〜10 0.8時間 3.9時間 BZ系ではなくシクロロピロロン系の睡眠薬で、BZ系と違い、筋弛緩作用が極めて弱いことが特徴です。

苦い?
アモバン 先発 30.7円/7.5mg錠
37.3円/10mg錠
アモバンテス 後発 13.5円/7.5mg錠
アントマイリン 後発 10.6円/7.5mg錠
スローハイム 後発 10.6円/7.5mg錠
10.7円/10mg錠
ゾピクール 後発 13.5円/7.5mg錠
15.5円/10mg錠
ドパリール 後発 10.6円/7.5mg錠
10.7円/10mg錠
メトローム 後発 10.6円/7.5mg錠
10.7円/10mg錠
ゾルピデム 5〜10 0.7〜0.8時間 1.8〜2.3時間 BZ系ではなくイミダゾピリジン系の睡眠薬で、 抗不安作用、筋弛緩作用が弱く、鎮静効果が特に強い特徴があります。
一過性健忘が出ることが多々あります。
マイスリー 先発 55.1円/5mg錠
87円/10mg錠
一般名(最上段)
薬価(円/錠)
用量
(mg/日)
血中濃度
最大時間
血中濃度
半減期
特長
商品名(二段目以降)






エチゾラム 0.5〜3 3.3時間 6.3時間 エチゾラムは、脳内ノルアドレナリンの再取り込みを抑制し、3mgを3分服すれば、抗鬱作用を示します。
あと抗不安薬としても良く処方されます。
筋弛緩作用も強い

デパス
先発 9.6円/0.5mg錠
16.6円/1mg錠
アロファルム 後発 6.1円/0.5mg錠
6.4円/1mg錠
エチカーム 後発 6.1円/0.5mg錠
6.4円/1mg錠
エチセダン 後発 6.1円/0.5mg錠
6.4円/1mg錠
エチゾラム
『EMEC』
後発 6.1円/0.5mg錠
エチゾラン 後発 6.1円/0.5mg錠
カプセーフ 後発 6.1円/0.5mg錠
6.4円/1mg錠
グペリース 後発 6.1円/0.5mg錠
サイラゼパム 後発 6.1円/0.5mg錠
セデコパン 後発 6.1円/0.5mg錠
6.4円/1mg錠
デゾラム 後発 6.4円/0.5mg錠
6.4円/1mg錠
デムナット 後発 6.1円/0.5mg錠
ノンネルブ 後発 6.1円/0.5mg錠
パルギン 後発 6.4円/0.5mg錠
11.7円/1mg錠
メディピース 後発 6.4円/0.5mg錠
6.4円/1mg錠
モーズン 後発 6.1円/0.5mg錠
ブロチゾラム 0.25 約1.5時間 約7時間 入眠作用の強い睡眠薬ですがREM睡眠には影響がないとされています。
短半減期の為、持ち越し効果は目立ちません


デパスで効きが今一つの場合、その次の選択肢
レンドルミン 先発 35円/0.25mg錠
グッドミン 後発 15.6円/0.25mg錠
シンベラミン 後発 10.9円/0.25mg錠
ゼストロミン 後発 15.6円/0.25mg錠
ソレントミン 後発 10.9円/0.25mg錠
ネストローム 後発 10.9円/0.25mg錠
ノクスタール 後発 13.4円/0.25mg錠
ブロゾーム 後発 10.9円/0.25mg錠
ブロチゾラムM 後発 13.4円/0.25mg錠
ブロチゾラン 後発 10.9円/0.25mg錠
ブロメトン 後発 13.4円/0.25mg錠
ユリモラン 後発 10.9円/0.25mg錠
レドルパー 後発 15.6円/0.25mg錠
レンデム 後発 15.6円/0.25mg錠
ロンフルマン 後発 10.9円/0.25mg錠
リルマザホン 1〜2 3.0時間 10.5時間 筋弛緩作用がないのが特徴です。
リスミー 先発 26.3円/1mg錠
41.2円/2mg錠
ロルメタゼパム 1〜2 1〜2時間
約10時間
高齢者や肝臓障害の患者に推奨されています。
エバミール 先発 24.7円/1mg錠
ロラメット 後発 25.9円/1mg錠
一般名(最上段)
薬価(円/錠)
用量
(mg/日)
血中濃度
最大時間
血中濃度
半減期
特長
商品名(二段目以降)






フルニトラゼパム 0.5〜2
0.01〜0.03/kg
(注)
1〜2時間 約7時間 内服薬と注射薬があります。
筋弛緩、抗痙攣作用も強い薬です。


ロヒプノールはレンドルミン等で眠れない場合の次の選択肢として上がってきます。
ロヒプノール 先発 18.1円/1mg錠
27.1円/2mg錠
サイレース 先発 19.5円/1mg錠
28.1円/2mg錠
ビビットエース 後発 6.4円/1mg錠
8.8円/2mg錠
フルトラース 後発 6.4円/1mg錠
ニメタゼパム
3〜5
2〜4時間 26時間 脱メチル化されてニトラゼパムになります。
作用はほぼ同等ですが、ニメタゼパムの方が血液から脳への移行が早いとの報告もあるようです。
筋弛緩、抗痙攣作用も強い薬です。
エリミン 先発 19.5円/3mg錠
28.1円/5mg錠
エスタゾラム
1〜4 約5時間 約24時間 比較的長い半減期を持つ為、中途覚醒型不眠に用いられます。
筋弛緩、抗痙攣作用も強い薬です。
ユーロジン 先発 12.7円/1mg錠
19.9円/2mg錠
ニトラゼパム 5〜10 2時間 25.1時間 もっとも古典的なBZで筋弛緩作用と共に抗痙攣作用が強く、乳児、小児のてんかんにも用いられています。

ロヒプノールが駄目ならば、これが次の選択肢として上がってきます。
ただ、半減期が長いので、翌日の持ち越し
ベンザリン 先発 6.4円/2mg錠
13.2円/5mg錠
20.4円/10mg錠
ネルボン 先発 13.2円/5mg錠
20.4円/10mg錠
チスボン 後発 6.1円/5mg錠
6.4円/10mg錠
ネルロレン 後発 6.1円/5mg錠
6.4円/10mg錠
ノイクロニック 後発 6.1円/5mg錠
ヒルスカミン 後発 6.1円/5mg錠
クアゼパム
15〜20(30)
3.42時間
(絶食時)
3.67時間
(食後30分)
36.6時間
(絶食時)
31.9時間
(食後30分)
半減期は35時間以上あるので長時間型です。
一過性、慢性不眠症患者に対して、クアゼパム20mgを5日間投与すると
十分な睡眠効果が得られるようです。

ドラール 先発 139.8円/15mg錠
166.3円/20mg錠
一般名(最上段)
薬価(円/錠)
用量
(mg/日)
血中濃度
最大時間
血中濃度
半減期
特長
商品名(二段目以降)




フルラゼパム 10〜30 約1時間
(未変化体)
1〜8時間
(活性代謝物)
約5.9時間
(未変化体)
23.6時間
(活性代謝物)
長時間にわたり作用が持続します。
筋弛緩、抗痙攣作用は弱い薬です。
ベノジール 先発 11.1円/10mgカプ
13.7円/15mgカプ
ダルメート 先発 13円/15mgカプ
インスミン 先発 13.3円/10mgカプ
16円/15mgカプ
ネルガート 後発 6.4円/15mgカプ
ハロキサゾラム 5〜10 約1時間
(尿中・糞中の排泄)
24〜72時間
(尿中・糞中の排泄)
筋弛緩、抗痙攣作用が比較的強い薬です。
睡眠段階に及ぼす影響では徐波睡眠とREM睡眠を軽度に減少させます。
ソメリン 先発 21.2円/5mg錠
324円/10mg錠




(バルビツール酸系睡眠薬)

●バルビツール酸系の問題点について

(1)OD時の致死量が少ない。
 常用量と致死量との幅が狭く、外来で処方した2週間分を纏めて服用すれば重篤な昏睡状態に陥る。
 アルコールや他の中枢抑制薬と一緒に飲んだ場合は致死量は更に低くなる。

(2)耐性がつき易い。
 薬理学的耐性が急速に(2,3日目から1ヶ月位の間に)生じ、
 用量を増加 しないと睡眠効果が得られなくなる。

(3)依存性を生じ易い。
 常用量を連用している限りでは身体依存は起こらないが、精神依存を生じる。
 大量を連用すると身体依存を生じ、離脱時に様々な身体症状を呈する。
 (不穏、不安、不眠、振戦、嘔吐、痙攣発作等

一般名(最上段)
薬価(円/錠)
用量
(mg/日)
半減期
(時間)
効力発現
時間(分)
持続時間
(時間)
特長
商品名(二段目以降)









ペントバルビタール
カルシウム
100〜200 15〜48 20〜30 3〜4 致死量は2〜3gと低い。

不眠が酷い方の間では伝説的に強力な睡眠薬として有名である。
また、自殺志望者にとっても欲しい薬ではないだろうか

でも死ぬなんて考えないでくださいね。
希死念慮はうつ症状か、または境界性パーソナリティ障害の一つの症状ですから。
精神科で診断を受けて、抗うつ薬を飲むか適切な治療を受ければ、死にたい気持ちがなくなります。

また、上記の致死量は絶対的な数字ではなく個人差があります。
ODして失敗したら、肝臓障害になって重篤な状態になることになります。
またこの薬は普通はなかなか処方して貰えず入手は非常に困難です。
ラボナ 10.5円/50mg錠 先発


アモバルビタール 100〜500 16〜24 20〜30 6〜7 致死量は2〜3gと低い。

イソミタールとブロバリンを混合したイソブロは飲んだことがあるが、かなり強力な睡眠薬である。
爆睡できます。


この薬で
死ぬなんて考えないでくださいね。
希死念慮はうつ症状か、または境界性パーソナリティ障害の一つの症状ですから。
精神科で診断を受けて、抗うつ薬を飲むか適切な治療を受ければ、死にたい気持ちがなくなります。

また、上記の致死量は絶対的な数字ではなく個人差があります。

粉末しかないので、致死量まで飲む前に寝てしまいます。
ODして失敗したら、肝臓障害になって酷いことになります。

イソミタール 52.9円/g末 先発





フェノバルビタール 15〜120 24〜140 60〜120 6〜8 致死量は6〜10gと比較的高い。

ベゲタミンの構成成分である。
Aには40mg/錠、Bには30mg/錠入っている。

フェノバルビタールが入っているせいか、ベゲタミンは良く効く睡眠薬。
フェノバール 6.4円/30mg錠
31.3円/g末
9.7円/g散10%
先発
バルビタール 100〜600 約48 60〜120 6〜8 1903年に臨床に用いられたもっとも古いバルビツール酸系睡眠薬
バルビタール 9.7円/g末 先発
尿





ブロムワレリル尿素 500〜800 12 20〜30 3〜4 かなり強力な睡眠薬。
ブロバリン 11円/g末 先発
ブロムワレリル尿素 11円/g末 先発



抗ヒスタミン薬とその他の睡眠薬

●抗ヒスタミン薬の特長について

・BZ系薬物とは全く性質が異なり、筋弛緩作用や抗痙攣作用が弱く、過度の鎮静、呼吸抑制、  
 意識 障害等を起こさない等の特長がある。
・抗ヒスタミン薬の副作用として生じる催眠作用を利用して睡眠薬として利用されている。

●ベゲタミンについて
・向精神薬の塩酸クロルプロマジンと、抗ヒスタミン薬の塩酸プロメタジンと、バルビツール酸系  睡眠薬のフェノバルビタールを混合した睡眠薬。
・塩酸クロルプロマジンとフェノバルビタールをベゲタミンA,Bの配合比率で配合することに  より、2〜10倍の中枢神経抑制効果を示す。

  
一般名
用量
(mg/日)
半減期
(時間)
商品名







ヒドロキシジン
25〜75
7〜20
アタラックス-P
ジフェンヒドラミン
10〜50
2〜4/5〜8
(tmax / t1/2)
ベナ
レスタミン
塩酸プロメタジン
5〜25〜50
3/12
(tmax / t1/2)
ヒベルナ
ピレチア





塩酸クロルプロマジン:25mg/錠
塩酸プロメタジン  :12.5mg/錠
フェノバルビタール  :40mg/錠
1〜4錠
 
ベゲタミンA
塩酸クロルプロマジン:12.5mg/錠
塩酸プロメタジン  :12.5mg/錠
フェノバルビタール  :30mg/錠
1〜4錠
 
ベゲタミンB





セミコハク酸ブトクタミド
600
約1
(tmax)
リストミンS
パッシフローラエキス
90
0.5
(tmax)
パシフラミン
塩酸クロルプロマジン
30〜450
3.2/12〜30
(tmax / t1/2)
ウィンタミン
コントミン